Let’s study 播州織

2015.06.25

播州織とはPart8 ~素材の魅力、繊維のこと~

こんにちは。ナカムラです。
播州織を勉強しよう第八回目です!今回は繊維のことを紹介したいと思います。

繊維を形状上大きくわけると『フィラメント(長繊維)』『スパン(短繊維)』の2種類に分けられます。これらは用途によって使い分けられます。

 

フィラメント(長繊維)

長繊維というだけあって1本の繊維がとても長いんです。
天然繊維でいうと絹がフィラメントになります。1つの繭から1300mの繊維がとれるそうですよ!!フィラメントも2種類に分けられ、「モノフィラメント」と「マルチフィラメント」に分けられます。
モノフィラメントというのは1本のフィラメントでできているツルッとしていて少し固めの例えばテグスなどです。これらは主に工業用として使われます。
次にマルチフィラメントとは、何本かのフィラメントで形成されており、柔らかく、体にも沿いやすいので衣料品によく使われます。フィラメントの特徴は光沢があり、美しくなめらかで丈夫なところです。
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スパン(短繊維)

スパンは短い綿状の繊維のことです。絹以外の天然繊維はここに属されます。
コットンやウール、リネンなどが代表的で、これらの短い繊維を何本か並べて、束ねながら長い糸状にします。この作業の事を紡績(紡ぎ)といいます◎できた単糸を2〜3本合わせて擦りをかけて適当な太さにして安定させます。スパンはソフトな風合いが特徴です。
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擦りとは

糸をよく見てみると、縄のようにねじってあるんです!!それが撚りです。
紡績糸においては、この撚りによって糸の形態を維持していると言っても過言ではありません。
撚りが強い糸ほど固く、腰がしっかりとしており、甘いものは柔らかくふっくらとしているという性質が備わっています。
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糸を擦りにかけるとき、単糸の場合は通常左擦りとなりこの擦りを「Z擦り」といいます。
単子を2本擦り合せて双糸にするときは右擦りの「S擦り」となります。この擦りの強弱によって、糸の風合いがことなります。

今回はこれで終わりです!クロコミの生地はすべてスパンの方ですね。素材一つでもこんないろいろな事があるんですね。そんな素材をしっかり見分けて選択してやっている職人さん達は本当に凄いです。

それでは、次回もお楽しみに◎