Let’s study 播州織

2015.06.18

播州織とはPart5 ~染色について~

こんにちは。ナカムラです。
播州織を勉強しよう第五回目です!
今回は染色ついてを紹介したいと思います。

img03
写真は調達した原糸です。形がナチュラルチーズの固まりのように見えるので、この状態を『チーズ』と呼んでいます。このような原糸を糸の性質や生産数や素材の条件などによって染め方を変えています。
その中で最も利用される3つの染色方法を紹介したいと思います。

綛染色(かせせんしょく)

img5-01
綛(かせ)は糸の束のことです。糸を束状にして染めることを綛染色と呼びます。綛染色を行う前に原糸を綛の状態に巻き取る”綛取り”を行います。綛取りは、綛枠というものに、糸を一定回数だけ巻きつつけて、そして枠を抜き取るという方法で行います。この方法は小ロット向けの染色方法です。

 

チーズ染色

img5-02
チーズ染色はチーズの状態にした糸を染色釜に入れて染色する方法です。
原糸と同じようなチーズですが、芯はステンレス製で表面に多数の穴があいていたり、メッシュ状になっていたりしています。これにたいして原糸のチーズは紙製のしんです。さらに、染液がよく染み渡るように糸の巻き方もソフトに巻かれています。チーズ染色は、現在最も一般的な染色方法です。

チーズ染色の芯

img05

 

ビーム染色

img5-04
ビーム染色は、染色用のビームというものに糸を巻き付けて、染色釜に入れて染色する方法です。
染色ビームには、長さを揃えた数百本の糸が同時に巻き付けられます。この染色方法は”経糸専用”なんです。本来なら染色の後でする整経工程を先にやっておくからです。このビーム染色は経糸専用で大ロット向けの染色方法です。

 

今回はこれで終わります!少し難しかったですね、、、ただただ染色といっても糸をじゃぶじゃぶ染める訳じゃなくてちゃんと職人さんは考えて場合によって染め方を変えているんです。ほんとうに職人さんは尊敬します!

それでは次回もお楽しみ下さい。