2015.12.08
スパン糸ってなに?
こんにちは、ナカムラです。
前回は「繊維の長さによる分類」でスパン糸とフィラメント糸について
簡単にご紹介しました。
今回からは「スパン糸」と「フィラメント糸」について
詳しく見て行きたいと思います。
スパン糸
コットン、リネン、ウール等のように短い繊維を平行に揃え、
縫い糸にするにはこれを何本か並べて、束ねながら長い糸状にします。
これを「紡ぎ=紡績」といいます。できた単糸を2~3本合わせて撚りをかけて適当な
太さにして安定させます。これを『スパン糸』といいます。(もしくは紡績糸)
スパン糸は柔らかく、膨らみがあり、糸の表面に多少の毛羽があります。
、、、というのがスパン糸でしたね!
さて、今から「スパン糸」を詳しく掘り下げて行きたいと思います◎
ではスパン糸の種類から見て行きましょう。
スパン糸の種類
(単糸)
短繊維(ステープル)を紡績にかけて、糸として構成された最初の糸です。
強度が弱いため、単糸で使用するには糸に糊付けするなどが必要です。
(諸糸)
2本以上の単糸を拠り合わせた糸のことです。
諸糸は糸に強度があり、一般的な生地は諸糸で作られます。
諸糸の中で最も使われる糸
・双糸 ー 単糸を2本引きそろえて撚りを掛けた糸です。
・三子糸 ー 単糸を3本引きそろえてよりを掛けた糸で、単糸の本数で四子糸、五子糸などがあります。
(複合糸)
原料が異なる2種類以上の短繊維で作られた糸です。
複合糸の中で最も使われる糸
・混紡糸 ー 繊維の段階で複数の原料を混ぜて紡績した糸です。目的は新しい素材
を作るためや、原料の欠点を他の原料の性能で補うためです。
・交撚糸 ー 原料や太さなどが違う単糸を拠り合わせた糸です。主な目的は新しい素材を作るためです。
・コアヤーン ー 糸の芯の部分に化合繊の長繊維(フィラメント)を入れ、周りを短繊維でくるんだ糸です。目的は、芯の長繊維で糸に強度を持たせたり、芯にポリウレタンを入れて伸縮性のある糸にすることなどです。
(飾り糸)or(意匠糸・ファンシーヤーン)
糸に様々な変化を付けた糸のことで、素材に独特の表情を作り出します。
紡績でつくられた糸
(ネップヤーン)
糸のところどころに繊維の小さなネップがある糸です。ツイード地によく使われます。
(スラブヤーン)
糸のところどころに自然の膨らみがある糸です。春夏素材によく使われます。
撚りで作られた糸
(杢糸)
違う色の単糸と単糸を拠り合わせた糸で、単糸の色数で三杢、四杢などがあります。
素材にムラ感のある表情を出します。
(壁糸)
細い単糸と太い単糸を拠り合わせた糸で、太い単糸が波状に現れる糸です。
(リングヤーン)(ラチーヌ)
糸のところどころに小さなリングがある糸です。
(ループヤーン)(ブークレー)
糸のところどころに大きめの輪がある糸です。
(ノットヤーン)(ノップヤーン)
糸のところどころに撚りの集中した小さな塊がある糸です。
(シェニールヤーン)(モールヤール)
細い芯糸を拠り合わせた間に、短い繊維を挟み込んだ糸です。秋冬素材に多く使われます。
※この擦りで作られた糸は手芸屋さんの毛糸売り場でよく見られます!
スパン糸の種類かなりありますね!!これを全部覚えるのは大変です!!
では、スパン糸はこれでおしまい。