2015.12.07
繊維の長さで糸は変わる
こんにちは、ナカムラです。
前回で「原料による糸の分類」が終わりました。
今回は、、、、
みなさん、糸はどんな事柄で分類されるか覚えていますか?
少しおさらいです。
糸は様々の事柄で分類することができます。大きく分けて5つ。
① 原料による分類
② 繊維の長さによる分類
③ 糸の本数や擦り数による分類
④ 加工による分類
⑤ 糸の用途による分類
この5つでしたね!!
さて、今回は②の「繊維の長さによる分類」をご紹介したいと思います。
繊維の長さによる分類

糸を構成している繊維の長さにより分類すると、単純に「短い糸」と「長い糸」に分類されます。
短い糸

コットン、リネン、ウール等のように短い繊維を平行に揃え、
縫い糸にするにはこれを何本か並べて、束ねながら長い糸状にします。
これを「紡ぎ=紡績」といいます。
できた単糸を2~3本合わせて撚りをかけて適当な太さにして安定させます。
『スパン糸』といいます。(もしくは紡績糸)
スパン糸は柔らかく、膨らみがあり、糸の表面に多少の毛羽があります。
この糸で作られた生地は手触りに暖かさがあり、柔らかく膨らみのある風合いになります。
長い糸

この『スパン糸』に対して、繭や化学繊維のよう長く連続した繊維を引き揃えて、
原料となる1本の長繊維はごく細いので、縫い糸にするには何本か束ねて適当な太さに
して「撚り(より)」をかけ安定させたものを『フィラメント糸』といいます。
フィラメント糸の特徴は光沢があり美しく、なめらかで丈夫な点です。
フィラメント糸の一般的な特徴は、糸の表面に毛羽がなく、滑らかで光沢があります。
簡単な繊維のご紹介
短い糸『スパン糸』
天然繊維| コットン・リネン・ウールなど
化学繊維| スフ糸・アクリル糸・ナイロン糸など
長い繊維『フィラメント糸』
天然繊維| 生糸・繭
化学繊維| スフ糸・アクリル糸・ナイロン糸など
スパン糸とフィラメント糸の擦り
スパン糸
綿や羊毛、麻、化合繊のステープル(短繊維)は、繊維を平行に引きそろえながら
細くし撚りをかけて糸にします。
撚りを掛けることで繊維同士が絡み合い、締め付けあって滑りにくくなり、
引っ張っても繊維が抜けない糸としての形と強さが生まれます。
フィラメント糸
絹繊維や化合繊のフィラメント(長繊維)は、一本だけでは細すぎるため何本かを
束にして糸にしますが、束ねただけでは繊維がバラバラで使いにくいので
軽く撚りを掛けます。撚りをかけることで、糸に効果が表れます。
① 糸に強さを持たせる
② 糸の太さを維持する
③ 糸に丸みをつける
④ 糸に弾力や伸度を持たせる
⑤ 糸に光沢が出る
では、また次回〜
